資産運用といえば株式や債券をイメージされる方が多いと思いますが、近年ではそのような伝統的資産とは異なるオルタナティブ投資が注目されています。機関投資家はもちろん、金融リテラシーの高い一部の富裕層もオルタナティブ投資を拡大してきています。
富裕層からの興味も高まっている、オルタナティブ投資のメリットや実態を解説します。
オルタナティブ投資とは
オルタナティブとは「代替」という意味で、伝統的に取引されてきた資産(上場株式、債券など)以外の新しい投資対象や投資手法のことをオルタナティブ投資といいます。具体的にはコモディティや不動産、未上場株やヘッジファンド等が挙げられます。広い意味では、希少価値のあるワインや美術品などもこれに当たります。
オルタナティブ投資が注目されている理由
分散投資は「株式と債券は逆相関する」という前提をもとに拡大していきました。
金利が高い状況では一定の成果をもたらしましたが、2008年の金融危機や直近の低金利環境では株と債券の値動きの相関性が高まり、従来通りの分散効果を期待することができません。
相場に関係なく絶対収益を追求するヘッジファンドや未上場企業への投資を通じて長期的なリターンを目指すプライベートエクイティといったオルタナティブ投資では相場との相関性が低く、ポートフォリオに組み込むことで高い効果が見込めます。
例えば分散効果の高いヘッジファンドと世界株式を組み合わせた場合、ITバブル崩壊や金融危機といった暴落局面でも安定的な運用が実現できています。そのため、安定した運用を目指す機関投資家や富裕層に人気が出ているのです。
機関投資家はオルタナティブ資産を導入
高い分散効果から、オルタナティブ投資の残高は年々拡大しています。
大和総研がまとめた今年2月のレポートでは、日本国内の金融法人と年金基金の90%以上がオルタナティブ投資を実施しているという調査結果でした。
海外では日本以上にオルタナティブ投資に積極的な期間投資家も多く、例えばハーバード大学基金ではポートフォリオの70%以上をオルタナティブ資産に割り当てています。
一般にオルタナティブ投資ファンドの多くは最低金額が数千万~数億円と高く、ロックアップ期間も数年と長いものが多くなっています。個人投資家にはハードルが高いですが、機関投資家にとっては有効な投資対象といえるでしょう。
投資家の93%がオルタナティブ資産の組入れを維持・増加予定
コロナショックの影響を受けても、投資家のオルタナティブ投資への意欲が薄まることはありませんでした。
プレキンが今年8月に対して行った調査では、投資家の93%が今後オルタナティブ投資への割り当てを維持するか増加させると回答しました。
過去に例のない難しい相場状況ですが、力強い値動きを見せるオルタナティブ投資の将来は明るいと言えそうです。
オフショア地域の実態は
オルタナティブ投資が盛んに行われているオフショア地域ジャージーでは、オルタナティブ投資の存在感が高まっています。
ジャージーに籍を置くファンドの総額は今年6月末時点で約3,617億ポンドに上りますが、うち約90%のファンドがオルタナティブ資産を用いた運用を行っています。内訳をみるとプライベートエクイティとベンチャーキャピタルが合計で56%を占め、過去5年で144%増と最も残高を増やしました。
コロナショックから早期に立ち直ったこともあり、投資家の資金が集まっているようです。
オルタナティブ投資の特徴
オルタナティブ資産は多岐に渡りますが、一般的に下記のような特徴を持ちます。
・伝統的資産との低い相関性
・リスク/リターン構造が複雑
・投資期間が長く資金は拘束されるが、流動性の低い資産に投資可能
・最低投資額は高額
そのため、万人向けの投資対象ではありません。機関投資家に加え、金額や投資期間、理解度といった条件をクリアできるリテラシーの高い富裕層投資家に特化した投資手法です。
下落に耐えられない投資家の資金を受け入れてしまうと、一時的な下落でも資金が流出してしまいファンド側も安定した運用を行うことが難しくなってしまいます。
オルタナティブ投資により効率的な運用を行いたい方は
これまで見てきた通り、ポートフォリオにオルタナティブ資産を組み込むことで運用効率の改善が期待できます。
しかし個人で投資するにはハードルが高く、実際に何に投資すれば良いのだろうと迷っている人も少なくありません。
そんな方は、ぜひヘッジファンドダイレクトにご相談ください。ヘッジファンドダイレクトでは、あなたの投資目標やニーズに合致した理想的なヘッジファンドを紹介しているので、納得できる効率的な資産運用をサポートします。