プライベートバンクとは何か?
プライベートバンクとはスイス発祥の無限責任の個人が経営する銀行のことです。有限責任の株式会社の経営者と異なり、自分自身を信用の担保とした顧客との密度の高いサービスの提供を行っていました。
現代においてはかつてのプライベートバンクはほとんど株式会社化してしまったため、商業銀行に代わっており、本当のプライベートバンクはわずか5社になっています。
Baumann&Cie
Bordier&Cie
E. Gutzwiller&Cie
Rahn + Bodmer Co.
Reichmuth&Co
クレディスイスやUBS等かつてのプライベートバンクは現在プライベートバンキングサービスを提供していますが、正確にはプライベートバンクではなくなっています。ここではかつてのプライベートバンクを含めてプライベートバンクが提供しているプライベートバンキングサービスについて解説します。
プライベートバンキングとは
プライベートバンキングとは富裕層向けに金融機関が提供する「特別」なサービスの総称であり、一般的に1億円から5億円以上の金融資産を持つ富裕層向けに提供されます。
プライベートバンキングサービスにおいては幅広いサービスを提供するため、リレーションシップマネージャーが資産運用、税務、相続、M&A、美術品、寄付など様々な専門家との間に立ち、相談を円滑に進めるサービスのことです。
一般的には資産運用についてはリレーションシップマネージャー自身が専門家として相談に応じることが多いです。
プライベートバンクのメリットとは
富裕層向けのノウハウが蓄積されている
富裕層向けに多くの相談を行っているため、一般的な富裕層が感じている「こんなサービスが欲しい」や「こんな点が不安だ」といった顧客のニーズへの知見を多く持っているため、スムーズな相談が進めやすいです。
オーダーメイドのサービスが受けられる
一般的な証券会社では担当者の能力によって、提供されるサービスレベルが大きく異なりますが、プライベートバンクでは、リレーションシップマネージャーが専門家との間をつなぎながら、個人で対応しきれない幅広い富裕層の課題に対応が可能です。
たとえば相続対策や新規事業のの融資調達まで幅広い提案を受けられるのが強みです。
長期的な関係性を築ける
一般的な金融機関と異なり、「預かり残高」に対して手数料を取ることが多いプライベートバンクでは、短期売買を繰り替える販売会社と異なり、長期的な信頼関係を築くことができます。ただし販売手数料中心のプライベートバンクはその限りではありません。
多様な金融商品に投資ができる
一般的な証券会社などで売っている公募商品は比較的シンプルな金融商品が多いのですが、私募商品では複雑な金融商品の取り扱いも行われます。例えば災害保険に投資するCATボンドや割賦債権に投資する仕組債などが存在します。
売買手数料ではなく管理手数料体系中心
売買ごとに手数料が発生することはなく、管理手数料ベースで費用が発生するため資産を増やすことを目的としたアドバイスをもらえる。
プライベートバンクのデメリットとは
最低の預入残高が多い
プライベートバンクの最低の預入残高は2億円や5億円などが多く、投資予定金額以外もプライベートバンクに預けることになります。そのため、預金で置いておく部分も多くなりがちで、運用の効率性が低いと考える人も多いようです。
個人の運用と専門家を利用した運用を両立させようと思うと最低預入残高がハードルになることが少なくないようです。
担当者(リレーションシップマネージャー)の当たりはずれ
プライベートバンクが高級リムジンだとした場合、担当者は運転手です。運転手の運転が荒ければあまり快適な移動は期待できません。同様にリレーションシップマネージャーの質は属人性が高く、中には販売会社の癖が抜けない担当者もいるようです。
仕組債等複雑な商品を買わされる
一般的に株やインデックスと連動するような仕組債はリスクに対してリターンが少ないことが知られています。これは市場で売られている株やオプションを組み合わせて商品を作るため、中間コストがかかるためです。仕組債は運用を行わないため、購入時点でコストを考慮すると有利な商品はあり得ないのですが、低金利下で仕組債を勧められる事例は多いようです。
大手の場合は関連会社の商品を勧められがち
大手のプライベートバンクの場合、自社商品ばかりを勧められることが多く、選択肢が限られるように感じることもあるようです。
富裕層向けの運用の相談は専門の投資助言業者へ
いかがでしたでしょうか?プライベートバンクのメリットやデメリットを知ったうえで、上手に利用いただければと思います。特にお仕事が忙しくて、運用を任せたいという富裕層にとってはプライベートバンクは良い選択肢の一つだと思います。
資産保全に強みのあるプライベートバンクより、より専門的に富裕層向けの運用を行いたいという方はぜひヘッジファンドダイレクトにご相談ください。
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