インデックスファンドの平均利回りはどのくらい?
インデックスファンドとは、日経平均株価などの指数と同じ値動きをする投資信託のことを指します。 ファンドの運用手数料が安いので、長期間運用する場合にも運用リターンを目減りさせることなく、安定的なリターンを期待できるというメリットがあります。
そんなインデックスファンドの平均利回りは世界株で4~6%が見込めます。投資の世界では年率10%を目指すと高いと言われているので、インデックスファンドはミドルリスクミドルリターンの商品に分類されます。
ただしインデックスファンドの利回りは、資産クラスや対象インデックスによって異なります。そのためインデックスファンドへ投資する場合は、事前に何の指数に連動するかを確認しましょう。
そもそもインデックスファンドとは何かを詳しく知りたい方は「インデックスファンドとは何かわかりやすく解説!意味や運用メリットは?」もぜひ参考にしてください。
https://hedgefund-direct.net/column-test/indexfund/
インデックスファンドの年率平均利回り(リターン)の仕組みや計算方法
インデックスファンドで複数年運用したときの利回りを計算するときには、通常であれば「年率平均利回り」を算出することが一般的です。一方で、「累積リターン」を算出する方法もあります。
いずれも運用リターンがどれくらいかを表す指標ですが、1年単位のリターンを求めるのが「年率平均利回り」で、期間を1年に区切らないのが「累積リターン」です。運用リターンをどの期間で評価するかによって、用いる指標が変わります。
次に、それぞれの仕組みや計算方法をみていきましょう。
年率平均利回り(リターン)
年率平均利回りとは、特定期間のリターンを運用年数で割って1年あたりのリターンを算出したものです。具体的な計算式は以下のとおりです。
年率平均利回り = 特定期間のリターン/運用年数
つまり、100万円の投資が10年後に180万円になった場合、年率平均利回りは以下のように計算されます。
年率平均利回り = 180万円ー100万円/10年 = 8%
例えば運用利回り10%を目標とする場合、運用期間の年率平均利回りが10%となることを目指します。ただしあくまで平均の利回りのため、単年では10%の運用リターンに満たない場合もあります。
また株式投資などボラティリティ(価格の値動き)が大きい投資では、短期的な利回りに惑わされずに、長期的な視点で年率平均利回りを求めることが大切です。
累積リターン
累積リターンとは、特定期間におけるリターンそのものを指します。具体的な計算式は以下のとおりです。
累積リターン = 特定期間のリターン
つまり、100万円の投資が10年後に180万円になった場合、累積リターンは以下のように表わされます。
10年間の累積リターン = 80万円
累積リターンは「10年間で100万円増やしたい」ときや、「老後資金として1,000万円確保したい」ときなど、今までの累積リターンを計算したい場合に用います。
また、インデックスファンドの分配金について知りたい方は「インデックスファンドの分配金(配当金)とは?仕組みやいつもらえるのかを徹底解説!」もぜひ参考にしてください。
https://hedgefund-direct.net/column-test/indexfund-distribution/
インデックスファンドの年率平均利回り実績例
インデックスファンドの年利平均利回りについて、代表的な指数の2020年9月時点での実績を見てみましょう。なおデータはブルームバーグをもとに作成しています。
株式
インデックス | 年率平均利回り | |||
---|---|---|---|---|
1年 | 3年 | 5年 | 10年 | |
日経平均株価 | +6.6 | +4.4 | +5.9 | +9.5 |
TOPIX | +4.9 | +1.4 | +5.2 | +9.3 |
S&P 500 | +13.6 | +10.1 | +11.4 | +16.5 |
ダウ平均 | +1.8 | +5.3 | +8.6 | +12.6 |
上記の表から、国内株式の指数である日経平均株価やTOPIXを見ると、安定して4~6%程度の利回りが期待できることがわかります。
日本の株式市場は、アベノミクスと呼ばれる経済政策により景気の下支えが続けられました。その結果、株価は安定的な利回りとなりました。
また上の表から、海外株式の指数であるS&P500指数の利回りが高いことが分かります。S&P500とは、アメリカを代表する企業500社で構成される株価指数のことです。
同じ海外株式の指数であるダウ平均よりもS&P500の利回りが高い理由は、成長著しいIT企業の比率が高いからです。
一方でS&P500の利回りが高いということは、その分リスクも高いことを意味します。IT企業の成長性に疑問符がつき市場の期待が裏切られると、大きく株価が下落する可能性もあります。
債券
インデックス | 年率平均利回り | |||
---|---|---|---|---|
1年 | 3年 | 5年 | 10年 | |
NOMURA-BPI 総合指数 | -1.8 | +0.7 | +1.2 | +1.5 |
FTSE 世界国債インデックス | +5.9 | +2.6 | +1.3 | +5.3 |
上の表から、国内債券の指数であるNOMURA-BPI 総合指数を見ると、1年目の利回りは「-1.8」とマイナスの値になっていることがわかります。NOMURA-BPI 総合指数とは、日本の国債や社債市場全体の動向を表す指数です。
1年目の利回りが「-1.8」とマイナスの値になっている理由は、日銀のマイナス金利政策の影響です。超低金利となっているため、債券投資でプラスのリターンを上げることが難しくなってきています。
加えて、2020年3月に起きたコロナショックによりリスクオフの姿勢が強くなりました。通常株価の下落時には債券価格は上昇する傾向にありますが、景気の不透明感が強まり債券価格も下落しました。
このように超低金利時代の現在では、債券投資で大きなリターンを得るのは難しいと言われています。
不動産
インデックス | 年率平均利回り | |||
---|---|---|---|---|
1年 | 3年 | 5年 | 10年 | |
東証REIT指数 | -17.4 | +5.6 | +4.5 | +10.8 |
S&P先進国REIT指数 | -19.4 | -2.6 | +0.8 | +9.3 |
REITとは不動産投資信託の略で、投資法人が投資家から資金を集めて不動産を購入する投資方法です。そしてREIT指数とはREITを対象にした株価指数のことで、REIT市場全体の状況を把握することができます。
上の表では国内不動産の指数である東証REIT指数でもS&P先進国REIT指数でも、1年目の利回りは大きくマイナスとなりその後プラスに転じています。
その理由はコロナショックと、その後の政府による財政出動です。コロナショックによる経済活動の停滞により、REIT指数は大きく下落しました。その後、各国は景気の下支えを行うために大規模な経済対策を行いました。その結果、大きく下落したREIT価格がプラスに転じています。
このようにコロナウイルスの感染拡大により、不動産価値に今までほどの安定性がなくなり、REITの値動きが激しくなっています。
また、おすすめのインデックスファンドについて詳しく知りたい方は「インデックスファンドでおすすめの銘柄!株式や債券、不動産(REIT)に関連する人気商品はどれ?」もぜひ参考にしてください。
https://hedgefund-direct.net/column-test/indexfund-recommendation/
人気の低コストインデックスファンドベスト5
ファンド名 | リターン(3年) | 標準偏差(3年) | 信託報酬等 | 純資産額(百万円) |
eMAXIS Slim米国株式(S&P500) | 15.45% | 18.9 | 0.10% | 662,591 |
楽天・全米株式インデックス・ファンド | 15.46% | 19.77 | 0.16% | 359,232 |
SBI・V・S&P500インデックス・ファンド | — | — | 0.09% | 324,876 |
ニッセイ 外国株式インデックスファンド | 13.43% | 19.54 | 0.10% | 322,968 |
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー) | — | — | 0.11% | 289,765 |
低コストを極めるインデックスファンドにおいて現在の一番人気はeMAXIS Slim米国株式(S&P500)ファンドとなりました。理由としては圧倒的な低コストです。インデックスファンドの作成方法としてはサンプル法を採用し、売買コストを引き下げていますが、運用の計算のコストがかかる点や再現性は多少劣る仕組みです。
2位の楽天・全米株式インデックス・ファンドは愛称が楽天・バンガード・ファンドとなっており、3位のSBI・V・S&P500インデックス・ファンドがバンガード・S&P500ETFに投資するファンドとのことで、実質バンガードのファンドに投資したいというニーズを取り込んでいます。
1位から3位はすべて米国株式に投資するタイプのインデックスファンドがならび、世界株への投資よりも成績の良いアメリカ株に投資するのが人気になってきています。
4位のニッセイ 外国株式インデックスファンドはMSCIコクサイ・インデックス」に連動するファンドです。日本を除く先進国の株価指数に連動しているため、ニッセイ日経225インデックスファンドなどと組み合わせた運用を検討するとよいでしょう。
インデックスファンドはアクティブファンドと異なり、コストでしか競争ができません。長期投資しているとはいえ、残高が少なくなってきた場合、早めに残高が大きなファンドに切り替えておくのも後々にとって良い可能性もあります。残高が100億円を切ってきたら検討するとよいでしょう。
(2021年10月追記、データは2021年9月末時点のもの)
インデックスファンドよりも高い利回りで運用したい方は?
ここまで見てきた通り、インデックスファンドは年4~6%の利回りが期待できる金融商品です。ベンチマークの指標に連動するので、ローリスクローリターンであると言えます。
しかし、投資の世界では年率10%以上の利回りを目指すことが良いとされているので、「インデックスファンドよりも高い利回りで運用したい」という人も少なくありません。
そんな方は、ぜひヘッジファンドダイレクトにご相談ください。ヘッジファンドダイレクトでは、あなたの投資目標やニーズに合致した理想的な投資商品を紹介しているので、年利10%を目指す資産運用もサポートしています。