退職金の運用で失敗する人が多いのはなぜ?|よくある失敗例
近年、退職金の運用で失敗する人が多いことが注目されています。
金融庁が発表した「老後2,000万円問題」をきっかけに、公的年金だけでは老後資金が足りないと不安を感じて、資産運用に興味を持つ60代の方が増えてきています。
※退職金を運用する必要性に関して詳しく知りたい方は「退職金は運用しないといけない?iDeCoの登場で自分で資産運用するのが前提に?」をご覧ください。
しかし銀行や証券会社、保険会社などの金融機関の営業マンは、「運用のプロ」ではなく「販売するプロ」です。退職金を手にした60代の投資初心者をターゲットにして、顧客本位でない商品を勧めてくることがあるので注意しましょう。
せっかく40年近くも働いてもらった退職金を、安易に失わないよう慎重に運用しましょう。以下では、退職金運用の2つの失敗例を紹介します。
失敗例①退職金特別プラン
金融機関には「退職金特別プラン」という商品があります。退職金を預けると、定期預金の金利が年7%程度になるというものです。
しかし実際には、1年未満の短期間だけ金利を上乗せして、販売手数料や信託報酬が高い投資信託とセット購入になっているのが一般的です。これでは定期預金に多少高い金利がついたとしても、投資信託の手数料で利息は飛んでしまいます。
失敗例②外貨建て変額保険
もう1つよく勧められるのが、一時払いの外貨建て変額保険です。この商品は満期時にのみ元本が保証される「元本確保」の商品です。しかし元本が確保されると言っても、外貨で保証されることに注意が必要です。
外貨建て変額保険には為替リスクがあり、円高になった場合には受け取り金額が減って元本を割ることもあります。また為替手数料もかかり、途中で解約をすると元本を大きく割り込むこともあります。
参考記事:外貨建て保険とは?種類や主な運用通貨、メリットやデメリットをわかりやすく解説!
退職金の運用で失敗するとどうなる?
数千万円単位で損をする
退職金運用では、短期間で数千万円単位の損失を出してしまう方が少なくありません。例えば、今までに投資の経験がない方が退職金2,000万円を運用し始め、わずか数年で1,000万円の資産を失うケースもよく見られます。
いざ運用を始めるも、「高値づかみ」と「ろうばい売り」を繰り返し、あわてて損失をリカバリーしようと他の投資に手を出すも、全て空回りして損失が大きくなってしまうパターンです。
その悪循環にハマって、結果として数千万円単位で損失を出してしまう方も少なくありません。
老後の生活資金がなくなる
退職金の運用に失敗して老後の生活資金がなくなると、最も悲惨な状態です。老後は現役時のように働いて安定的に稼ぐことが難しく、わずかな公的年金だけでは思い描いていたような満足のいく生活はできないでしょう。
また、今後安定して年金を受け取れる保証はありません。その結果として生活を切り詰めるしかなくなり、生活の質が著しく低下してしまいます。老後の不安解消のために行った運用によって、自ら厳しい生活へと追い込んでしまうことになります。
老後の趣味に使えるお金もなくなる
退職金運用に失敗して老後の資金を失ってしまうと、退職後に趣味でやりたかったことや夫婦での海外旅行など、計画していたことを見直さなければならなくなります。
夫婦で話し合っていた老後の夢が叶わなくなってしまうと、夫婦の関係がギクシャクして喧嘩に発展することもあるかもしれません。ことあるたびに退職金の運用に失敗したことを持ち出されると、精神的にも辛いでしょう。
決してこのような事態に陥らないように、退職金は慎重に運用するようにしましょう。
退職金の運用で失敗しないための方法
分散投資をする
退職金の運用は、分散投資をするのが基本です。投資商品の分散をするのはもちろんですが、時間の分散をすることも重要です。退職金のすべてを1つのタイミングで投資してしまうと、さまざまなリスクが伴います。
例えば、投資商品が割安になったタイミングで余裕資金を持ち合わせていないと、買い増してコストを下げることができなくなります。
また、1つのタイミングでまとめて投資すると、相場の変動に合わせて全体資産が大きく変動することになるので、一喜一憂して精神的に疲れてしまいます。
あなたが退職金を受け取った時期が、必ずしも運用に向いた時期とは限りません。「早く運用に回したい、落ち着きたい」という気持ちは抑え、しばらく普通預金や定期預金に寝かせて資産運用の勉強をしながら、徐々に運用を始めていくことも大切です。
老後に必要なお金には手を出さない
退職金の運用を始める前には、まず老後に必要となるお金がどのくらいなのか試算することをおすすめします。そして、退職金のうち老後に必要なお金には手を出さず、余剰資金の中から運用にまわすことを鉄則としましょう。特に3年または5年以内に使うと予想される金額を運用に回すのは危険です。
万が一病気や怪我をしたときに必要となる医療費など、不測の出費も想定しておかなければいけません。そしてある程度の資産は、すぐに現金化できるようにしておくことが大事です。
よくわからない商品は購入しない
金融機関の営業マンの中には、商品のリスクに関する説明を十分にしなかったり、元本保障でないのに元本保障であるかのように説明する悪質な人もいます。
そのような営業マンから難しい説明を受けたときには、決してわかったふりをして購入するのは避けましょう。自分の知識が浅い商品や、仕組みが難しくてよくわからない商品は、まずは購入せずによく考えたり調べてみることが大切です。
誰かに「儲かる」とささやかれて損害を被っても、その誰かが補償してくれることはありません。投資はあくまでも自己責任が原則です。
退職金の運用でおすすめの商品が知りたい方は「退職金の運用方法!銀行の定期預金や保険などおすすめの運用を比較!」も参考にしてください。
相談先を間違えない
金融機関の営業マンは運用のプロではないため、必ずしも顧客本位の商品を勧めてくれるとは限りません。どうしても自分の営業利益を優先して、手数料が高い自社製品をおすすめしてくるでしょう。
資産運用に関する相談先には、銀行や証券会社以外にも、IFAやヘッジファンドなどさまざまなものがあります。
相談先を選定するポイントとしては、「顧客と利害が一致しているか」に注目してみることが大切です。特に大金を動かす退職金の運用に関しては、くれぐれも相談先を間違えないようにしましょう。
退職金の運用でおすすめの相談先は?
ここまで見てきた通り、退職金の運用で失敗してしまうと、本来自由になるはずの老後生活が悲惨なものになってしまいかねません。そのため、退職金の運用は特に慎重に行うべきです。
一方で「銀行や証券会社など、相談先の候補が多すぎてどこに相談したらよいかわからない」と悩んでいる人も少なくありません。
そんな方は、ぜひヘッジファンドダイレクトにご相談ください。ヘッジファンドは、顧客の利益に対して成功報酬を得るビジネスモデルになっており、顧客と利害が一致しています。
中でもヘッジファンドダイレクトでは、あなたの投資目標やニーズに合致した商品を紹介しているので、理想的な退職金の運用をサポートします。
また退職金運用になぜヘッジファンドがおすすめなのか知りたい方は「退職金運用にヘッジファンドがおすすめな5つの理由!注意点や向いていない人の特徴も紹介!」もぜひ参考にしてください。