個人での資産運用の必要性が高まる中、プロに運用を任せることができる投資信託をご検討されている方も多いかと思います。
投資信託にもアクティブファンド、インデックスファンドやロボアドバイザーなど様々な選択肢がありますが、本記事ではターゲットイヤーファンドについて解説します。
ターゲットイヤーファンドとは
リタイアメントに向けた資産形成として、投資家の年齢やライフプランによってアセットクラスを自動で変更してくれる投資信託をターゲットイヤーファンドといいます。
イメージとしては下図のように、年齢が若いうちは株式の比率が高くハイリスク・ハイリターンなポートフォリオ、年齢を重ねるにつれて債券の比率を高めてリスクを抑えた運用を行うポートフォリオへとシフトしていく形が一般的です。
前半はリスクを高めた積極的な運用を行い、後半に向けてローリスク・ローリターンな資産を多く組み入れることでリタイアメントに向けた資産形成を行う目的のファンドといえます。
ターゲットイヤーファンドのメリット
ターゲットイヤーファンドに投資する主要なメリットを2点紹介します。
長期投資の恩恵を受けやすい
一般の投資信託ではどうしても目先の利益が気になってしまいますが、ターゲットイヤーファンドは目標とする年が決まっている分、長期間の運用を前提とした投資を行いやすくなります。
自分で投資判断を行うとどうしても判断を誤ってしまったりストレスが増してしまうものですが、長期で継続するほど複利運用の効果は高まり、運用効率も良くなりやすい傾向にあります。
「ほったらかし」の運用ができる
ターゲットイヤーまでの長期間に渡り運用会社が自動的にアセットアロケーションの変更やスイッチングを行ってくれるため、自分でメンテナンスを行う必要がありません。
資産運用の経験が浅い方や、仕事等が忙しい現役世代の方には向いている仕組みです。
ターゲットイヤーファンドのデメリット
メリットがある反面、もちろんデメリットも存在しているため、3つほど簡単に解説します。
想定通りに老後を迎えられるかはわからない
ターゲットイヤーファンドは数十年先を目標年として運用を開始することが一般的ですが、現役時代が想定以上に長くなることや転職、失業など想定外の出来事が起こることも考えられます。資金が必要になる時期がずれてしまうと、想定通りの運用結果が得られない可能性も高くなります。
暴落時には債券も株式と同様に下落する
「目標年に向けて徐々にリスクを下げていく」というターゲットイヤーファンドの運用は、下記2点の前提をもとに成り立っています。
①債券は安全資産
②債券は株式の下落ヘッジになる
この前提が正しければ債券比率を高めることで目標年に向けて安全着陸ができるといえますが、近年では株式と債券価格の相関は高まっています。最悪のケースとして、満期直前に暴落が起きた時の推移を紹介します。
ペンシルバニア大学のデイビッド・バベル教授の行った研究では、2008年のリーマンショック時の株式と債券の相関係数は約0.8と非常に高い数値でした。
2010年を目標年とした米国の上位20のターゲットイヤーファンドの2008年の株式比率と年次リターンは下図のようになっています。
目標年まで2年というかなり保守的な運用にシフトしている時期ですが、それでも大幅な下落を免れなかったという結果になっています。
リタイアメント後の悠々自適な生活を目指してターゲットイヤーファンドに投資していた投資家は目標年の直前に大きな打撃を受ける結果となってしまいました。
これは、ターゲットイヤーファンドの2つの前提が相場暴落時には機能していないことを意味します。
目標年の直前にこうした暴落に巻き込まれる可能性は決して高くはありませんが、将来のことは誰にも予測できません。株式や債券といった伝統的な資産への分散投資では、安定的な資産配分であっても対応できない相場状況があるという点には注意が必要です。
リスクを抑えながら長期的に資産形成を行う方法とは
最後に、株式や債券では対応できないような相場状況であっても安定的な運用が期待できる運用方法を紹介します。
伝統的な資産と異なる値動きをするオルタナティブ資産をポートフォリオに組み込むことで、相場に関係なく安定的な資産形成が可能になります。
株式との相関が低く組み合わせ効果の高いヘッジファンドの一例をご紹介します。
トレンドフォロー戦略を用いることで下落相場でも高いリターンを実績として残しており、平均リターンも年率10%を超えています。運用開始来、このヘッジファンドと株式を50%ずつ持てば大幅なマイナスになるタイミングは殆ど無く資産運用を行うことが出来ているため、今後どんな状況になっても同様の効果が期待できるのではないでしょうか。
長期的な資産形成をお考えの方は、是非ヘッジファンドダイレクトにご相談ください。ヘッジファンドダイレクトでは、お客様の状況やポートフォリオによって最適な運用方法をご案内します。