バフェット指数とは、株価の割高・割安を簡単に判断するための指標です。
世界一有名といってもよい著名投資家であるウォーレンバフェット氏がこの指標を重視していると2001年に発言したことから、この名前で呼ばれています。
株式の時価総額をGDPで割ることで算出され、実体経済に対する時価総額の割合を表しています。そのため、この数字が高いほど株価は割高という判断になります。
今回は、米国と日本の株式市場の割高・割安を判断する一つの指標としてバフェット指数を解説します。
米国株式市場のバフェット指数
米国株式市場におけるバフェット指数については、ビジュアル・キャピタリストの記事「The Buffett Indicator at All-Time Highs: Is This Cause for Concern?」を参照して紹介します。
1950年からの長期バフェット指数推移は、下記のようになっています。2月11日時点では228%となっており、時価総額がGDPの2倍以上に拡大している状態です。
数字上で過去最高値となっていることだけではなく、長期間のトレンドライン上の適正水準を大幅に上回っていることが読み取れます。
バフェット指数とトレンドライン間の差分に注目すると、下図のように推移しています。2000年頃のITバブル時の乖離率を超えて過去最高を更新しており、極めて割高な水準といえるでしょう。
過去の相場変動局面でのバフェット指数とトレンドラインの差分をまとめると下表のようになります。相場を完全に言い当てている訳ではないですが、ここまで割高な相場では暴落に注意する必要がありそうです。
国内株式市場のバフェット指数
日本におけるバフェット指数も、2020年末時点で126%と過去最高水準に達しています。米国と比較すると低い数字ですが、トレンドラインとの乖離はITバブル時と同等の水準になっています。
米国株式市場より過熱感は弱いですが、下落に注意するべきという点は米国と変わらないと言って良いでしょう。
歴史は繰り返す?
では、暴落は近い将来に起きるのでしょうか?
過去の暴落時と大きく異なる点として、世界的な低金利環境が挙げられます。資金調達コストが低下し、投資を行いやすくなるため株式に資金が集まりやすくなっています。
金利が上昇に転じるまでバフェット指数は高水準で推移すると予測できますが、過去の歴史を振り返ると割高な資産はどこかで必ず適正価格に修正されてきています。
基本的には「歴史は繰り返す」と考えて、暴落に備えたポートフォリオを組む方が良さそうです。
暴落に備える方法
リスクを抑える運用手法としては分散投資が最も有名ですが、相場暴落時には株や債券、コモディティといった幅広い資産が値下がりしてしまうため、国内の証券会社や銀行で投資できる資産への分散投資だけでは暴落に備えることが出来ません。
当コラムサイトで、著名投資家ジムロジャーズ氏の株価下落に備える方法を紹介しています。
暴落時にもリターンを狙うことが可能な資産として、ヘッジファンドを簡単に紹介します。
ヘッジファンドの値動き
相場に関係なく絶対リターンを追求するヘッジファンドは、長期間優れた実績を残しているものが数多く存在します。
具体的なヘッジファンドの値動きとして、上記のような例があります。
過去の暴落局面にも安定的な値動きを記録しており、相場に関係ないリターンが期待できるファンドです。
ヘッジファンドは最低金額がやや高額なため金融資産2,000万円以上の投資家でないと投資が難しいというデメリットはありますが、富裕層の投資家であればポートフォリオへの組入れ効果は高いのではないでしょうか。
ヘッジファンドダイレクトは、世界中のファンドの中から優秀な実績を持つヘッジファンドへの直接投資をサポートします。