外貨建て保険とは?種類や主な運用通貨、メリットやデメリットをわかりやすく解説!

外貨建て保険とは?種類や主な運用通貨、メリットやデメリットをわかりやすく解説!
目次

外貨建て保険とは?

外貨建て保険とは、払い込んだ保険料相当額を特定の外貨で資産運用する保険のことを言います。

運用益や満期保険金、解約返戻金はもちろん、保障対象となる事象が発生した際に支払われる給付金もすべて外貨です。したがって、受け取ったこれらの保険金や返戻金、給付金を日本国内で使用するためには、再び円に交換しなければなりません。

近年では、国内商品よりも高い運用利回りを期待できることから注目されている外貨建て保険ですが、残念ながらトラブルになるケースも少なくありません。

例えば、為替相場によって保険の価値が変動する金融商品であることを理解しないまま契約し、結果としてトラブルにつながるケースが見受けられます。

外貨建て保険の種類

外貨建て保険には、生涯保障期間が続く「外貨建て終身保険」、将来のための貯蓄機能を備える「外貨建て養老保険」、60歳以降の一定の年齢から年金として受け取れる「外貨建て個人年金保険」の3種類があります。

いずれも貯蓄性保険に分類されますが、特徴はそれぞれ異なります。

終身保険

終身保険とは、死亡時や重度の障害に見舞われた際に死亡保険金が給付される生命保険の一種です。基本的に一定の保険料で生涯保障期間が続きますが、何らかの理由により途中解約をしても、まとまったお金を解約返戻金として受け取ることができます。

なお保険料の払込期間には、生涯定期的に払い続ける「終身払い」と、10年間、20年間など一定の期間内や、60歳など一定の年齢までに払い終える「短期払い」の2つの方法があります。

養老保険

養老保険とは、もし保障期間中に亡くなれば死亡保険金を、死亡事由がなかった場合は満期給付金を受け取ることができる保険です。

保険金と満期給付金は同額であり、必ず一定の保険金を受け取ることができることから、死亡保障をしながら貯蓄もできることが特徴の保険です。

また他の保険よりも貯蓄性が高いことから、満期保険金を旅行資金や老後資金として活用したいなど、明確な目的がある場合に検討の価値があります。

個人年金保険

個人年金保険とは、基礎(国民)年金や厚生年金のような公的年金では不足するお金を、自分で補填するための「私的年金」としての保険のことです。あらかじめ契約時に定めた年齢に達すると、年金として保険金を受け取ることができます。

タイプは2種類あり、一定期間受け取りが保障されている「確定年金」と、生存している限り受け取れる「終身年金」に分類できます。

また、満期時に一時金として受け取ることも可能で、満期後に年金受け取り開始まで資金を据え置くことができる保険もあります。

外貨建て保険のメリット

外貨建て保険のメリット

日本円よりも金利が高い

外貨建て保険の最大のメリットは、国内商品よりも高い利回りでの運用が期待できることです。低金利が定着している日本では運用利回りはほとんど見込めない一方、外貨によっては2~3%の利回りが見込めます。

ただし、2020年現在ではコロナウイルス禍に伴う経済の落ち込みにより、海外でも金利が低下していることで、外貨建て保険にも影響が出ています。今後は積立利率の引き下げなどの条件変更も懸念されるため、動向を注視する必要があるでしょう。

保険料が安い

外貨建て保険の2つ目のメリットは、保険料が割安になるということです。運用利回りが高いほど、目標額に到達するための運用資産が少なくて済み、その分保険料を安くしたり解約返戻金を増やしたりできます。つまり保険料は割安になります。

円建て保険だと0.1%程度が相場である積立利率が、外貨建て保険だと2.0%前後に設定されているのはこのためです。ただし外貨建て保険には、円建て保険にはない特有の手数料もあり、コストについては総合的に判断する必要があるでしょう。

保障をつけながら資産運用できる

外貨建て保険の3つ目のメリットは、貯蓄性だけではなく、万一の際の保障も付いていることです。このことは、他の金融商品にはないメリットと言えるでしょう。

外貨建て保険は、保障を得ながら高い利回りが期待できる商品であるため、いざというときの守りと攻めが同時にできる資産運用方法であると言えます。

分散投資になる

外貨建て保険の4つ目のメリットは、資産を海外の通貨に分散できることです。円は比較的安全な資産と見なされており、国際的な経済打撃があった際に買われやすい傾向がありますが、投資の基本はあくまで長期・分散・積み立てです。

地震などの大規模な自然災害が発生すると、状況によっては経済にも影響を及ぼし、円の価値が下落することもあり得ます。そこで外貨建て保険を契約しておくと、資産を海外の通貨に分散することになり、有事の際の資産保全としても効果を発揮します。

外貨建て保険のデメリットやリスク

為替変動リスク

外貨建て保険の最大のデメリットは、為替リスクを避けて通れないことです。為替リスクとは、為替相場の変動により保有している外貨建て資産に損益が発生することを言います。

例えば1ドル100円の相場において、100万円をドルに交換すると1万ドルになります。
しかし再び円に交換するときの為替相場が1ドル90円だった場合、資産は90万円となり、10万円の為替差損が発生します。逆に円に交換するときの為替相場が1ドル110円の場合は110万円となり、10万円の為替差益が発生します。

このように円高、円安という為替相場によって、資産の価値が大きく変動するリスクがあります。

為替手数料がかかる

外貨建て保険の2つ目のデメリットは、為替手数料などの円建て保険にはない手数料が別途必要なことです。為替手数料とは、円を外貨に交換するときに金融機関に徴収される手数料のことです。

通貨の種類や金融機関によっても多少異なりますが、例えば米ドルの場合だと1ドルにつき0.5~1.25円の手数料が課されることが多いです。この手数料が、円をドルに換えるときとドルを円に換えるとき、それぞれ為替相場に上乗せされることを考慮する必要があります。

契約時手数料や解約控除がかかる

外貨建て保険の3つ目のデメリットは、契約時や解約時にも手数料が発生することです。ただし、これは商品によっては円建て保険でも必要となる手数料であるため、外貨建て保険に特有の費用ではありません。

なお、これらの諸費用は保険料や責任準備金から控除されるのが一般的ですが、その合計額や上限額は明示されないことが多いため、契約時によく確認することが重要です。

特に10年未満のタイミングで解約する場合は、解約手数料が想定以上に高くなることもあることに注意しましょう。

また、外貨建て保険の運用でよくある苦情やトラブルについて知りたい方は「外貨建て保険で苦情殺到?よくあるトラブルや危険性を解説!」も参考にしてください。

外貨建て保険で運用される主な通貨

外貨建て保険でよく運用されるの主な通貨は、以下の3種類です。

・米ドル(アメリカドル)
・豪ドル(オーストラリアドル)
・NZドル(ニュージーランドドル)

中でも米ドルは世界で最も流通量が多く、為替相場の動きが安定していて金利も比較的高いため、信頼されている通貨と言えます。

また外貨の中では為替手数料も低く、国内でも情報が入手しやすいなどのメリットもあります。特に為替相場に大きく左右される外貨建て保険については、為替手数料も重要な要素の一つと言えるでしょう。

外貨建て保険の支払い方法

一時払い

外貨建て保険の一時払いタイプは、払込額を契約時の為替相場で一括して払い込む商品です。そのため、交換時の為替相場によって円での払込額に差が生じます。

契約窓口が外貨預金を取り扱っている場合は、保険契約時に外貨建てで保険会社に送金し、外貨を取り扱っていない場合は、いったん円建てで保険会社へ送金し、その後所定のレートで外貨に交換することが多いです。

また、契約者がすでに外貨預金口座を開設している場合は、当該金融機関から保険会社に外貨建てで送金することもできます。

平準払い

外貨建て保険の平準払いタイプは、保険料払込期間が終了するまで一定額を支払い続ける商品です。払込額が外貨で一定額の商品と、円で一定額の商品があります。

払込額が「外貨で一定額」の商品は、払込時の為替相場によって円換算の保険料が毎回変動します。一方で払込額が「円で一定額」の商品は、為替相場によって外貨換算の保険料が変動します。

このように平準払いタイプは、商品によって払込方が2通りあることを覚えておきましょう。

外貨建て保険の選び方

外貨建て保険の選び方

保険の種別や期間をどうするか

外貨建て保険の種別や期間の選び方は、運用する資産の将来の用途によって異なります。

例えば、老後資金として活用したいのであれば満期のある「個人年金」が、相続税対策の一環として考えるなら、死亡保険金の一定額が非課税で、満期のない「終身保険」が候補となるでしょう。また満期給付金を活用したいなら、養老保険も選択肢になります。

このように、保険に加入する目的によって適した保険の種別や期間は異なります。外貨建て保険を選ぶ前に、運用資産の将来の用途を十分吟味しておくことが重要です。

運用通貨をどれにするか

外貨建て保険を選ぶ際には、運用通貨をどれにするかも大切です。運用通貨の選択にあたって注目するポイントは、利回り、為替リスク、為替手数料の3つです。

利回り

利回りについては、説明資料などで期待できる利回りの数値が確認できます。その通貨で自分が期待する利回りを実現できるのかを確認しましょう。

為替リスク

為替相場も重要な判断要素の一つです。ただし、為替はさまざまな要因により日々変動するため、現在の為替相場だけで判断することはできません。過去10年程度の相場動向を確認し、変動の少ない通貨を選択すると無難でしょう。

為替手数料

運用通貨選びには、為替手数料も無視できません。利回りが同じ程度であれば、為替手数料が低い通貨の方が利益が残りますので、必ず考慮したうえで検討しましょう。

保障内容で何を重視するか

たとえ同じ種類の外貨建て保険でも、保険金の支払い条件などの保障内容は、保険会社によって異なることにも注意が必用です。

例えば、保険料の払い込み時や保険金受け取り時の為替手数料は、同じ通貨でも金融機関によって金額が異なり、一律ではありません。期待利回りばかりに目を奪われ、詳しい保障内容をよく確認せずに契約すると、後悔することにもなりかねません。

そのため、保障内容の中でも自分は何を重視したいのかを事前に考えておき、その条件に合った商品を探すようにしましょう。

外貨建て保険で大損した人がいるって本当?

外貨建て保険で大損した人はいるのでしょうか?実際に外貨建て保険で大損した人は退職金などを一括で1000万投資した人にいると思われます。その流れは以下のようなパターンが考えられます。

①円安の時にまとめてで外貨保険に投資して、為替差損で大きなマイナスに。

②慌てて解約して早期解約手数料を払って、さらに損失を拡大させる。

という流れが多いと考えられます。

近年のネット社会では、自分の求めている答えが出てきやすい傾向があります。損した時に目につくのは「外貨預金は危険」という記事や、「外貨建て預金はやってはいけない」という専門家のコメントなどばかりになります。

しかし、こうした意見は「投資する前」に気が付くべきで、投資後に見るべきものではないと思います。

外貨建て保険に投資した時の投資期間において、為替差損益の影響と、外貨建て保険で得られるリターンを検討してみると、満期まで投資することで為替差損も十分穴埋めできることも多いと思われます。

外貨建て投資はやめたほうが良い!は本当か?

基本的に外貨建て保険も海外債券と同じく投資タイミングが重要と考えられます。

外貨建て債券の投資タイミングとしては

①投資先の金利が高い時

②投資先の通貨に対して円高のとき

この二つの条件がそろったときは非常に良い投資タイミングです。反対に言うと円安で低金利の時は投資タイミングとしては最悪です。損しやすいといえるでしょう。

円高 円安
高金利
低金利 ×

ただし、通常海外の国の金利が高い時はその国の通貨は高いことが多いです。このような場合、円安局面で高金利を買うことになります。金利低下により一時的に円高になり損する時期はあると思われますが、長期間の金利のメリットにより十分補える可能性があります。

また円高低金利局面では、わざわざ外貨建て保険でなくとも為替差益の投資機会を狙える方法があるので、途中で売り抜けにくい外貨建て保険は有利とはいえないと思います。

外貨建て保険での資産運用を考えている方は?

ここまで見てきた通り、外貨建て保険は国内商品よりも金利が高く、保険料も安いのが特徴です。また外貨で資産を保有することができるので、リスクを分散する効果も得られます。

一方で、国内商品にはない特有の手数料が発生したり、為替変動リスクや為替手数料などのデメリットもあります。「金利が高いのは魅力的だけど為替リスクが心配だし、そもそもどの通貨を選べばいいのかよくわからない」と悩んでいる人も少なくありません。

そんな方は、ぜひヘッジファンドダイレクトにご相談ください。ヘッジファンドダイレクトでは、あなたの投資目標やニーズに合致した理想的な商品を紹介しているので、目的に合わせた資産運用をサポートします。

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