リスク資産(危険資産)とは?
リスク資産とは、投資した元本が保証されていない資産のことを指します。収益を期待できる一方で損失を被る可能性もあり、別称「危険資産」とも呼ばれます。代表的なリスク資産としては、株式や公社債、不動産などの投資商品が挙げられます。
リスク資産のほとんどは値動きが大きく、将来の収益の予想が困難という特徴があります。したがって、投資することで儲かるか損をするかわからないというリスクも保有することになるため、「リスク資産」と呼ばれるのです。
安全資産とは?
リスク資産と反対の性質を持つ資産が安全資産です。安全資産とは、あらかじめ将来の収益が決まっており、元本割れを起こす可能性が極めて低い資産のことを言います。日本においては、預貯金や国債などがそれにあたります。
安全資産は、保有したとしても値動きがほとんどありません。したがってリスク資産と違い、値動きのリスクをほとんど保有しないことから、「無リスク資産」とも呼ばれています。
安全資産はその名の通り、投資した元本の安全性が高いことが最大のメリットです。一方で現在の日本においては、安全資産である預貯金や国債の利率は非常に低く、収益という面では全く期待できないことが大きなデメリットです。
リスク資産と安全資産の違いを代表例を挙げて比較
リスク資産と安全資産について理解できたところで、次はそれぞれ具体的にどのような投資商品があるのかについて、代表例を挙げてご紹介していきます。また、それぞれの投資商品にはどのような特徴があるのかも説明します。
リスク資産
株式
株式は、各株式会社が発行しており、経済情勢やその会社自身の業績によって株価が変動します。リスク資産の中でも代表的な投資商品と言えます。
株式を購入すると、発行した会社が成長していけば収益を上げることができる一方、その会社が業績不振になったり倒産してしまうと、損失を被ってしまうこともあります。
投資信託
投資信託は、投資家から集めたお金を一つの大きな資金としてまとめ、運用のプロが株式や債券などのリスク資産に投資、運用をしていく仕組みです。
運用して生まれた利益は投資家のものになりますが、仮に運用がうまくいかなかった場合の損失も投資家が被ることになります。
不動産
不動産は、将来値上がりしそうな土地や建物を購入し、売却益を狙う運用方法です。不動産価格が上昇していけば売却時に利益が出ますが、反対に下落した場合には損失を被ることになります。
また、不動産投資は投資金額が大きいことが特徴です。利益が出れば大きな儲けになりますが、価値が下落したときには大きな損失が出ることがあるため、リスク資産の中でもリスクが高めであると言えます。
社債
社債は、会社が資金調達のために発行している債券です。社債には国債と同じように利率が設定されているため、将来の収益がある程度予測できるという点では比較的リスクが低めの資産であると言えます。
しかし、発行している会社自体が倒産してしまった場合、利息のみならず元本が返ってこない可能性もあるため、同じ債券でも国債よりリスクが高いことに注意が必要です。
安全資産
預貯金
預貯金とは、銀行や郵便局の普通口座や定期口座に預ける方法のことです。預貯金の利率は非常に低く設定されていますが、預け先の銀行や郵便局が破綻しない限りは元本が減ることはありません。
仮に破綻したとしても、1金融機関につき預金者1人あたり「元本1,000万円までと破綻日までの利息」は預金保険保護機構によって保護されるため、安全資産の部類と言えるでしょう。
国債
国債は、日本が公共事業などを行うにあたって、資金調達のため発行している債券です。あらかじめ運用年数と利率が設定されており、預貯金と比べるとやや利率が高い傾向にあります。
社債の仕組みと似ていますが、会社の倒産リスクを抱える社債とは異なり、現段階では日本自体が破綻する可能性は低いことから、安全資産と言われています。
貯蓄型保険
貯蓄型保険は、万が一の場合に備えながら、将来のために貯蓄ができる保険です。さまざまなタイプの保険がありますが、基本的に「ある一定期間解約をせずに契約を継続すれば、払い込んだ分の保険料(元本)が保証される」ものがほとんどです。
早期の解約には注意が必要ですが、契約さえ守れば、元金と利率分は保証される安全資産であると言えます。
金
金は、安全資産の中でもやや特殊な資産です。金価格は日々変動しているため、購入した時よりも金の価値が下がってしまうケースも存在します。
しかし金はそのもの自体が価値を持つという特徴があります。仮に日本が破綻するなど、貨幣の価値が著しく下がるような経済的危機が起きた場合でも、金そのものの価値は全く変化しません。
そのため金は、安全資産として有効な資産保有手段の1つであるといえます。
また、資産運用に伴うリスクについて知りたい方は「【資産運用のリスクとは?】6つの種類とリターンとの相関を紹介!」もぜひ参考にしてください。
https://hedgefund-direct.net/column-test/asset-management-risk/
リスク資産と安全資産の理想的な割合
投資目的によって決めよう
リスク資産と安全資産の理想的な割合は、ご自身の投資目的によって異なります。
例えば「いつまでに」「いくらを」「いくらに増やしたいのか」によって組むべきポートフォリオが異なります。つまりそれによって、保有すべきリスク資産と安全資産の割合も変わるということです。
投資目的は人それぞれ異なるので、「ある程度のリスクをとってでもリスク資産の割合を増やそう」「安全資産の割合を増やして堅実に運用していこう」など、ご自身の考えに沿った運用バランスを構築していくことが重要です。
「1:5」から「1:1」まで日本とアメリカで割合に差がある
金融庁のデータによると、日本人はリスク資産:安全資産を1:5の割合で持つ人が多く、リスクを避けたがる傾向にあると言えます。一方でアメリカ人は、リスク資産:安全資産を1:1の割合で保有する人が多く、積極的な運用をしていると言えます。
それぞれにメリットやデメリットがあるので、一概にどちらの割合の方がバランスが良いとは言い切れません。
しかし日本において、物価上昇や年金問題が頻繁に取り上げられるようになっている中、資産運用や資産形成について「よくわからないからやらない」という考え方は捨てた方が良いでしょう。
リスク資産と言っても、適切に組み合わせることによって運用のリスクを下げることができます。将来の不安をなくして備えをしっかり準備していくためにも、今後はリスク資産と上手に付き合っていくことが求められています。
また、分散投資でおすすめの割合について知りたい方は「分散投資のポートフォリオでおすすめの割合は?相関係数や具体例をわかりやすく解説!」もぜひ参考にしてください。
https://hedgefund-direct.net/column-test/portfolio/
リスク資産と安全資産の割合を相談したい方は?
ここまで見てきた通り、金融資産にはさまざまなリスクがあることがわかります。資産運用では、リスク資産と安全資産の割合を決め、自身の目的に沿った金融商品を購入する必要があります。
一方で「リスク資産と安全資産の割合をどのように決めたらよいかわからない」と悩んでいる人も少なくありません。
そんな方は、ぜひヘッジファンドダイレクトにご相談ください。ヘッジファンドダイレクトでは、あなたの投資目標やニーズに合致した商品を紹介しているので、理想的な資産運用をサポートします。